☆ №3 今の利益を守りきるためには
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日経平均株価が最高値更新!
今、2021年3月ですが株が上がっています。
先月2月16日に、日経平均株価が30,000円を超えてバブル以来の最高値30,714円まで上昇しました。
2009年のリーマンショックの時は7,000円だったので、その頃と比べると4倍弱になってます。
さて、最高値ということは、どういうことでしょうか?
それは、2009年の最安値以降に買った人は、誰でも全員に利益が出ているということです。
投資信託や株をずっと前に買っていた人も、今年に入って買ったばかりの人でも、今はみんな利益が出ている状態です。
「全員総勝ち状態」というのが最高値ということです。
去年の今頃、コロナの感染拡大で株価が大暴落していた時には、誰もこんな状況になるとは想像していませんでした。
この放送を聴いてる方の中にも、利益が出ているのでニコニコしてる人が沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、
「好調なのはいつまでも続きません!」いつか下がる時がやって来ます。
この活況な相場が終わる時が来ます、必ず。
でも、それがいつかは分かりませんが、その時にどうするのか?!
下げ始めた時に、そのまま売らずに放っておいたら、今の利益を失くしてしまいます。
今日は、今利益が出ている人が、いざという時に「利益をどう確保して守るのか」ということについてお話します。
今の利益はあなたのものではありません
株価が絶好調ということで、株を持ってる方の多くは利益が出ています。
しかし、残念ながらこの利益はまだあなたのお金ではないんです。
いわゆる「含み益」といって、口座上の架空の評価額です。
今の株価に応じて計算された帳簿上の額面です。
だから、株価が上がれば増えるし、下がれば減ったりして株価に合わせて変動します。
これを自分のお金にするためにはどうすれば良いか?
自分のお金にするためには、売ってその取引を終わらせないといけません。
売った瞬間に、初めて自分の口座に現金が戻ってきます。
この売る行為を「利益確定」と言います。
利益確定をするまでは、株価が上がっていけば増加しますし、下がったら減少します。
もし、下がる時にそのまま放っておいたら、この利益はどんどん減っていくので、大きく下がるとそのうちに利益が無くなってしまう可能性があります。
さぁ、この含み益を「いつ、どうやって自分のお金として確定するか!」
これが今回のテーマです。
上がり傾向にあることを「上昇トレンド」
今、株をやっていないという方もいらっしゃると思います。
でも、「私には関係ないわ」とおっしゃらずに、「こんな考え方をしたらお金を残せるんだ!」という感じで、軽く聞いて頂けたらと思います。
まず、今の株式相場は上がり傾向にあります。
これを株式用語で言うと、「上昇トレンド」と表現します。
ファッションの世界でもトレンドという言葉を使います。流行とか波・傾向を意味します。
株の場合には「株価の傾向」、つまり方向を意味する言葉として使います。
上がっているときは「上昇トレンド」、下がっているときは「下降トレンド」、動きがなければ「トレンドレス、または横ばいトレンド」と表現します。
山高ければ谷深し!
株が向かう方向は、3方向あります。上がるか下がるか横ばいか。上か、下か、横です。
今は上がっているから上昇トレンドです。
この上昇トレンドは去年の3月からはじまりました。
もう1年間上昇が続いていますから、結構息の長い相場だと言えます。
実はこれが危険なんです!
長い期間上がると、その後には長い期間下がる可能性があるからです。
株の上げ下げには周期があって、「山高ければ谷深し!」と言う表現があり、まさにこれです!
だから、長い期間株価が上昇を続けている時は、その後の下落には要注意です。
コロナショックで株価は大暴落
この上昇トレンドが始まった去年の3月というと、何があったか覚えていますか?
そうです! コロナショックです!
まさに一年前の2020年3月、新型コロナウイルスが蔓延し始めて、未知のウイルスだということで恐怖が広まり始めた時です。
お店からマスクが消えて、トイレットペーパーが無くなって…
ここ京都でも、最初の感染が確認されてニュース速報が出た時のことを今でも覚えています。
この時はこれからどうなるのか全く分からなくて怖かったですね。
この時に相場がどう動いたかというと、経済活動がストップして、先行き懸念から世界中の株価が大暴落しました。
世界中の株式相場が大パニックになりました。
日本でも日経平均株価が毎日大幅に下がって、歯止めが利かない底なし沼みたいに暴落しました。
年末に24,000円あった株価が、感染拡大とともに暴落して、僅か1か月の間に2/3の16,400円になってしまいました。
下のグラフはその時の日経平均株価のグラフです。
個人投資家は「なすすべもなくただ頭を抱えて眺めているだけ」みたいな状況でした。
こんな状況で、もしあなたが株を持っていたとしたら、どうしていたでしょうか?
当時、16,400円近くまで下げた株価は、今は30,000円を超えましたので、1年で倍近くにまで上がったことになります。
今から思えば、あの時にたくさん買っておけば、資産が倍になっていたことになりますね。
まぁ、それは結果論として、あの時は株を買うのはかなり勇気が必要だったと思います。
上昇はいつまでも続くとは限りません
さぁ、問題はここからです。
上がったものはいつか下がります。
このまま永遠に上昇トレンドが続くことはありません。
いつかこの上昇が終わって、今度は下降トレンドに転じる時がやってきます。
その時にあなたはどうしますか??? っていうのがテーマです。
今のあなたの利益はまだ「含み益」です。
株価が下がっていくと、口座の評価額はどんどん目減りしていきます。
「また上がるかもしれない」と悠長に構えていると、あれよあれよと言う間に下がって、せっかくの利益を無くしてしまうことになりかねません。
株は下げ始めると一気に下がります
株というのは、上がる時は日数をかけて比較的ゆっくりと上昇します。
しかし、下がる時には短期間で一気に下落します。
そういう特性がありますから、逃げ遅れたら一瞬のうちに利益を無くしてしまいます!
これが非常に怖いのです。
充分に利益が出ている人は、下げ始めたとしてもなんとか利益を残して逃げることが出来ると思いますが、最近買った人は注意が必要です。
特に最近買った人は!
最近買った人は、まだそれほど大きな利益が出ていないので、下がり始めたら一瞬でその利益を飛ばしてしまう可能性があります。
下手をしたら買値を割って損をするかもしれません。
脅かすわけではありませんが、この時に対処を誤ると、せっかくの利益を目減りさせたり、失くしたりしてしまいます。
実は、このような現象は「株あるある」として誰もが経験する失敗なんです。
下げる局面はいつか必ず来ますから、その時に自分はどうするのかということを、今から考えておかなければなりません。
その時にどう対処するか!
上昇トレンドが終わった時に、どうしたら今の利益を確保できるのか?
そこで、活躍する便利な手法が、前回お話した「逆指値注文」です。
株を売るという行動には2通りの意味があります。
一つは「今の利益を確定する売り」、もう一つは「損をしてでも逃げる売り」です。
前回の№2では、後者の損を最小限にして逃げる売り「損切りの決め技」として「逆指値注文」を紹介しました。
覚えていますでしょうか?
振り返って、あなたが買った株が、上がらなかった事例で説明します。
① あなたは10,000円で株を買いました。
② でも、残念ながら下がってきました。
③ この時、どこまで下がるか分からないので、そのまま放置しておいたら大きな損をするかもしれません。
④ そこで、あらかじめ手放す値段を決めておいて、「ここまで下がったら私は売って逃げます」という予約をしておきます。
予約の仕方はこうです。
9,900円で手放したいならば、「株価がもし9,900円以下になったら、私はすぐに売ります!」と予約をしておきます。
そうすれば、株価が下がってきて9,900円以下になった瞬間に、証券会社のコンピュータが自動的に売却してくれるので、自分の手元には9,900円の現金が無事に戻ってきます。
以下の図のようなイメージです。
何もしなければ、どこまで下がるか分からないので、大きな損するかもしれないところを、僅か100円の損で逃げることができて資金を守ることができます。
このやり方が「逆指値注文」です。
株がギャンブルと明確に違う点
株価が下がってきたときに、放ったらかしにしたら評価額はどんどん減っていきます。
でも、「もうここで止めた!」と自分の意志で手放したら、手放した時点での金額が自分の手元に戻ってきます。
この点が、丁か半かに賭けるギャンブルと決定的に違うところです。
よく「株はギャンブルだ!」と言う人がいますが、これは明らかに違います!
株は自分の意志で止めることができるので、止めた時点のお金が戻ってきます。
自分の意志で止めるタイミングをコントロールできます。
だから投資なんです!
逆に、自分でコントロールできないのがギャンブルです。
「コントロールできるかできないか」、これが株がギャンブルと明確に違う点です!
株は自分で損失を限定できるからギャンブルではないのです。
話を「逆指値注文」に戻しますと、この手法は非常に便利です。
株は損をするリスクがありますが、この逆指値注文を使えば、株で大きな損をすることはなくなります。
大損ということ自体がなくなりますので、精神的にもの凄く楽です。
言わば「怖いものなし戦術」です。
勝つ前に元手となる資金が無くなったら、それこそ元も子もありません。
この資金を守る必殺技が「逆指値注文」。
これが私の言う「安心安全な株式投資の一番のツボ」です。
利益を確保する方法とは
さて、この逆指値注文を「利益確保に使いましょう」という話をします。
何度も言いますが、今の好調な相場はいつか終わります。
でも、いつ終わるかは誰にも分かりません。
だから、こういう風に逆指値注文をします。
「もしここから下がってきた場合、私はこれだけの利益を絶対に確保したい」という値段で売る予約を入れておくのです。
下げ始めたと思ったら、すぐに売って今ある利益を守る作戦です。
そうすれば、確実に利益を確保することができます。
この作戦は、「下げ始めたら売る」という意味ではなく、「これだけの利益は最低限確保したい」という意味です。
なぜなら、上昇トレンドが終わって、下げ始めたという事実は分かり難いので見過ごしてしまいがちだからです。
気付いた時には、既に利益がかなり目減りしていることもよくあります。
ただ、株価は毎日多少の上げ下げがあるので、ある程度の幅は見ておくことは必要ですが、最低このくらいの利益は残したいという金額を決めて、その価格で売る予約をしておくのです。
例えば、こうやって注文をします。
①あなたは10,000円で株を買いました。
②その後上昇して現在の評価額は倍の20,000円になっているとします。
③今のあなたの利益額は10,000円です。
④この時に、あなたが「少なくとも8,000円の利益は絶対に確保したい」と思ったら。
⑤「株価が18,000円以下になったら売る」と予約をしておきます。
そうすれば、もし値下がりしてきた場合、株価が18,000円以下になった瞬間に、自動的に証券会社のコンピュータが売却してくれます。
元手には10,000円の元金にプラスして、8,000円の利益が確定できて、合計18,000円のお金があなたの手元に入ってきます。
この時に、もし予約した18,000円まで下がらなければ、予約条件に達しないのでそのまま保持することになるので、さらに利益を伸ばすことが可能です。
損切りの時と同じ要領です。
今利益が出てる人は、自分が絶対に残したい利益額で、この予約しておかれると安心です。
一方で、最近買ってまだ利益が少ない人は、ちょっと下がっただけでも買値を割り込んで損になってしまいます。
下がる時は一気ですから、より慎重に利益や資金を守ることを考えておく必要があります。
その場合の目安としては、やはり買った値段を意識しておいた方が良いでしょう。
自分の買った値段よりも下がれば損失になりますから、たとえ利益を失くしたとしても資金は守らないといけないので、少なくとも買値付近で「逆指値注文」を入れておくのも有効な作戦です。
是非、今利益がある人は、この逆指値注文を使ってご自身の利益と元の資金を守ってください。
「への字型投資」にならないように!
利益がある人は、利益を減らしたくないですね。
だから「逆指値注文」で利益を守ってください。
この時のコンセプトは、「への字型投資」にならないようにです。
「への字型」って???
ひらがなの「への字」をイメージしてください。
「へ」という文字は、左側の上がる長さよりも、右側の下がる長さの方が大きいですね、そのイメージです。
例えば株を買いました。
順調に上がっていって利益は増えるのですが、反転して下がってきても多くの人は売らずにそのまま眺めてしまいます。
なぜならば、「再び上がるかもしれない」ことを期待するからです。上がる保証はどこにもないにもかかわらず。
買うのは良いんですけど、なぜか売らない。
結果、買値を割りこんで損をしてしまう。
こういう失敗をする人が実に多くいます。
「上がっていくのを見ながら、下がっていくのも見てしまう」
結果、下げの方が大きくなる投資を繰り返して損をし続ける。
これが「への字型投資」です。
こういうことを何回も繰り返して、どんどん資金を無くしていきます。
私が見てきた個人投資家が株で損をする典型的なパターンです。
そもそもいつ売るかを考えていない
「最初は儲かってたんですけどねぇ~、今は損をしているんですぅ~…」
人間は欲の塊ですから「もう少し我慢しよう」とか、「また上がるかもしれない」と考えたら売ることが出来なくなってしまいます。
そして、損をしていても上がることを期待してそのまま放置してます。
でも、大体の場合、この欲は裏目に出て株は上がることなく損をしてしまいます。
そもそもが、株を買う時に売る目標を持っていないことが大きな原因です。
例えば、「5万円儲かったら売って旅行に行きたい」とか、「20%上がったら売って資産を増やしたい」などを考えていません。
仮に考えていたとしても、いざその目標に達する状況になったら「もっともっと」と考えて、売らずにそのまま保持してしまいます。
だから「への字型投資」になってします、というかしてしまうんです。
だから、それを回避するために「逆指値注文」を活用して、確実に利益を確保しましょうという作戦になるわけです。
「これだけの利益は何としても残したい」という価格で売る予約を入れておけば、「への字型投資」ならずに利益を手にすることができます。
まぁ、エラそうに言っていますが、何を隠そう、私も過去に結構「への字投資」を相当数やらかしています・・・
心理に負けない投資を
この逆指値注文の最大のメリットは、なんと言っても心理に左右されないということです。
偶然にうまく売れる人もいますが、それはたまたまなので次もうまくいくとは限りません。
人間はそこまで心が強くないからなかなか売る決心がつきません。
だから「逆指値注文」という手段を使って投資のルールにしてしまうんです。
今この番組を聴いてもらっていて、株を持っている方には絶対お薦めの手法です。
「逆指値注文」はどこの証券会社でも使えますので、注文画面を見るとすぐに分かると思いますので確認してみてください。
結構、知らないという人は多いです。知っていても使ってる人は少ないので、是非使ってみてください。
ちょっとメモっておいてもらえたら、後々に役に立つと思います。
欲があっても欲をかいたらダメ!
欲があっても、欲をかいたらダメです!
決して「への字型投資」にはならないようにしてください。
今の好調な相場がいつまで続くのか楽しみですが、現在、株や投資信託を持っている人は上手く利益を確保できることを願っています。
これが放送される4月には、どうなっているでしょうねぇ~
相場が激変しているかもしれませんが・・・注意が必要ですね。
今頃教えてもらっても遅いワ!ってなってないことを願って。。。
(ご質問ややり方が分からなければ、メールフォームから連絡してください!)
ちなみに、これから始めようかなと思っている人の中には、乗り遅れたと感じて焦っている方がおられるかもしれません。
株の世界には、「相場は逃げない」と言う格言があります。
いつ始めても、いつでもチャンスはあるという意味なので、安心してください。
まず、少しでも安全な株式投資のイメージをしていただけたら嬉しいです。