№12 利益を確保するベストな方法
利益はどう確保するのが最善なのか
番組はここからストリーミングで聴くことができます ▽▽▽
猿が選んだ銘柄でも、投資のプロが選んだ銘柄でも、正しく運用すれば結果は同じだった。
その秘訣の一つは、上がらなかった時に以下に素早く撤退するか。
これを「損切り」と言います。
一方で、利益が出ている場合、いかに多くの利益を確保して売ることができるか?
「確実な利益確定」これが今回のテーマです。
上がった株価はいつかは下がる
あのバブル経済が崩壊したように、上昇したものはいつか終わりがきます。
土地や株、美術品・・・
バブルの時にはバブルだと誰も思いません。
永久に上がり続けると思ってしまう、そして崩壊。
上昇していた株価も、いつかは下降に転じます。
この時に、今の利益を失くさないようにどうやって守るか?
売って初めて利益を手にできます
先週の放送で、チャート通りに買った「セブン&アイ」の株が、6か月間経った今も上がり続けていて、買値の1.5倍になっていることを紹介しました。
100株単位で買うことになるので、実際の投資値段で言うと35万円が53万円になっているので、現在18万円の利益が出ているということです。
でも、この18万円はまだ自分のお金ではありません。
これを含み益と言います。
まだ時価で計算した暫定の利益。
だから、株価の変動によって増えたり減ったりします。
売った時に初めて自分の手元に現金として入ってくる。
こういう仕組みになっています。
と言うことは、下がり始めた時に売らずに放っておいたら、利益はどんどん目減りすることになります。
では、今の利益をどうやって自分のお金として確保するのか?
利益を確保するためには、売って手放さないといけません。
これを「利益確定売り」と言います。
「への字型投資」にしないように
実は、この利益確定がなかなか難しいのです。
何故かと言うと、「売った後に上がったらどうしよう? 儲け損ねてしまうかもしれない」
そう考えると売れなくなってしまって、たとえ下がってきたとしても売らずに持ったままにしてしまいます。
「わかっちゃいるけどやめられない!」、そんな感じです。
その結果、どうなるかと言うと「への字型投資」になってしまいます。
「へ」という文字は、左が短くて右が長い。
つまり、上がっていくのを見ながら、売ることができずに買値を割り込んで損をしてしまう現象のことです。
それは何故か?
株価の動きは、ジグザグと上がったり下がりを繰り返しながら、上げと下げの差額のトータルで上昇したり下降したりします。
例えば、7日上がったら3日下げる、これを繰り返してトータルで4日分が積み上がって全体が上昇していくというイメージです。
「セブン&アイ」の株も、見た目のチャートは定規で線を引いたように一直線に上昇してるのですが、よく見ると毎日上がっているのではなくて、下がっている日もあります。
上昇と下降を交互に繰り返して、トータルで値上がりしています。
だから、上昇トレンドの場合は、ちょっとくらい下がってもまた上がり傾向に戻ります。
それを経験してしまってるから、多少下がってもまた上がると思って心理的に安心してしまうのです。
甘々の状況に慣れてしまい、悠長にノンビリと構えてしまいます。
ましてや、「セブン&アイ」のように6か月間も上がり続けていると、もう下がることがあるかもしれないことすら忘れてしまいます。
まさにバブルと同じで、毎日が天国みたいに思えてきます。
だから、ちょっとくらい下がっても「どうせまた上がるだろう!」と余裕をかましてしまうのです。
しかし、いつか必ず下がる時がやってきます。
ところが問題は、その下げが本当の下降トレンドへの入り口なのかは、ただのジグザグの範囲内なのか、その時には誰にも分からないことです。
そして残念なことには、「本当に下降トレンドになってしまった!」ということは、後になってからしか分からないということです。
それに気付いた時はもう遅いのです。
なぜならば、気付いた時には既に利益が大きく目減りしてしまってるからです。
利益が大きく目減りして初めて「しまった!」と気付くのです。
そして、どうなるかと言うと、それでもまた上がることを期待して持ち続けてしまいます。
利益が残っている内は余裕があるので我慢し続けられますが、結局は買値を割り込んで損をしてしまうことになります。
こうやって、せっかく利益があったにもかかわらず、それを確保できずに失くしてしまうのです。
「一時は儲かっていたんですけどね・・・」
まさにこれが「への字型投資」です。
損をする人の不思議
株をやっていない人でも、この流れを聴くとなんとなく想像できますよね。
こうやって、みんな株で損をするんです。
そして、「怖い、危険だ、危ない、素人には無理だ・・・」と言い出します。
なぜ、利益があるうちに売らないんですか?
なぜ、買値より安くなったら手放して逃げないんですか?
なぜ、マイナスになっても持ったままにするんですか?
まさに世界7不思議に匹敵するくらいに不思議なのが、投資家の心理です。
こうすれば解消できます!
では、どうしたら利益を確保できるのか?
株価が上がっていて利益が出ている時に、もし下がってきたとしたら、それが「ジグザクに上下する範囲内の動き」なのか、「本当に下降トレンドに転じてしまう入り口」なのか見抜かないといけません。
これは非常に難しいです!
チャートのテクニックとして見抜く方法はありますが、今回はもっと簡単で誰にでもできる秘訣をお話します。
まず、今ある利益のうちで「自分が絶対に残したい」、「手にしたい金額」をあらかじめ決めておくことです。
例えば、「セブン&アイ」で18万円の利益があったとしたら、「最低でも私は15万円の利益は確保したい、それ以上減らしたくない」と思ったら、「この先にもしその金額まで下がった売ります!」と売る予約をしておくんです。
そうすれば、もし本当に下がることになっても、予約した値段で売ることができます。
最初に決めた15万円の利益をしっかりと確保することが出来ます。
もし、それをしないで期待だけで持ち続けたら、利益を失くすだけでなく、損を抱えてしまうことにもなりかねません。
人間は、一度利益を見てしまうと、また必ず戻るという妄想に取りつかれてしまって、絶対に手放せなくなります。
一度下降トレンドに転じてしまって巻き込まれたらどうなるか?
前回紹介した「いきなりステーキ」のように次に上がるまで4年間も耐えることになるかもしれません。
日産自動車のように5年間も、損を抱えたままストレス漬けになるかもしれません。
それも、元の値段まで戻る保証などはどこにもありません。
ましてや、会社が倒産したら資産価値はゼロになってしまいます。
どうしますか???
だから、必ず絶対に残したい金額を決めて売る予約をしておきます。
最低でも買値を下回ることになれば売ります。
具体的には、「株価が○○まで下がったら売る!」って予約をポチッと入れておくだけです。
簡単なことです。
これで利益は守れます。
こういうことをきちんと実行すれば、「猿が選んだ株もプロが厳選した株も、収益は同じになるんです」という実験結果も、まんざら嘘ではないことが分かります。
1円でもプラスなら利益です
いずれにしても、含み益は売らないと現実の利益にはなりません。
だから、自分が欲しい金額で予約をしておいて自動的に利益を確保します。
そうしたら、現実に自分の手元に入ってきます。
「セブン&アイ」で15万円の利益を手に入れたら、豪華な食事や温泉旅行も現実のものになります。
仮に、売ってしまってから、まだ上がったとして無くすよりは良いですよね?
そう考えてください!
天井で売るなんて芸当は不可能だと思ってください。
(もし天井で売ることができたとしても、次も同じようにできるとは限りません)
これは、買った直後でも同じです。
損をし始めたら、真っ先に売って早く損失を確定して撤退します。
そうしたらかすり傷ですみます。
ご存じのように株は元本保証ではないので損をするリスクがあります。
元本が保証されないと聞くと、その意味が分かっているだけに凄い不安になります。
でもその被害程度は、損は自分でコントロールできます。
株式投資は自分の意志でその取引を止めることが出来ます。
だから、完全に無くなってしま、ゼロになることはまずありません。
ここが、株がギャンブルと明確に違うところです。
早く止めれば止めるほど、損は少なくて済みます。
そう考えると思うと怖くはないですね。
だから、株で大損するなんてことは基本的にはありません。
でも、人間は欲があるので、もしかしたらに賭けてしまいます。
このコントロールが大事です!
決して欲張らない
話を猿に戻しますと、過去の動きは一切関係なく、常に今目の前の動きに対応していく。
言い換えると、「出たとこ勝負」。
「損切り」と「利益確定」。
この運用がきちんとできれば、前回のテーマでもあった猿でもプロでも同じ結果を出すことが可能です。
ここにチャートでタイミングを計ることを加えたら、もう完璧です!
買うタイミングはしっかりとチャートを見て決める。
損は確実に切る。
欲張らずに欲しい金額を決めておいて利益確定をする。
これが出来れば、安心・安全に投資を楽しむことができるようになります。